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コスト

紙の名刺が3年でいくらかかっているのか

安いほうの数字が、請求書に載っている数字です。

著者 Carlos Lastres更新 2026-09-043 分で読めますEnglish

要点

  • 印刷の請求書はコストではありません。コストは刷り直しの周期で、その引き金になる出来事を予算に入れている会社はほとんどありません。
  • 肩書きの変更、移転、ロゴ刷新、電話システムの入れ替え。どれも社内の未使用の名刺を、同じ日に一斉に無効にします。
  • 変更前に配った名刺は、間違った情報を載せたまま出回り続けます。回収はできません。
  • 無駄になっているのは紙ではありません。注文した時点では正しかった、引き出しの中の一箱です。
  • この3年で自社に起きた変更の回数を数えてください。1枚あたりの単価ではなく、その回数が正しい入力値です。

どの会社にも、名刺1枚あたりの印刷単価を小数点以下2桁まで言える人がいます。名刺にいくらかかっているかを言える人は、ほとんどいません。

これは別々の質問です。

請求書は小さいほうの数字

名刺の印刷は、実際に安いです。だから話はたいていそこで終わります。一人あたり数百枚を注文し、届き、引き出しに入り、その費目は閉じられます。

効いてくるコストは、その取引ではありません。それを何回繰り返すか、そして何がその繰り返しの引き金になるかです。

刷り直しの引き金

この3年間を振り返って、いくつ当てはまるか数えてみてください。

誰かが昇進した。誰かが異動した。オフィスが移転した。電話システムが変わり、内線番号も変わった。ロゴを刷新した、あるいは全員のメールのドメインが変わった。部署名が変わった。人事が等級を整理して、肩書きに新しい語尾がついた。

このどれもが、該当する人の未使用の名刺を、同じ日に、全部無効にします。先月注文したものでも、去年のものでも同じです。

これが本当のコスト要因です。そして多くのチームがこれを見積もっていません。一回ごとの刷り直しは小さく、避けられないものに感じられるからです。

誰も金額をつけていない部分

高くつくのはここで、これはどの請求書にも現れません。

すでに配った名刺は変わりません。あなたが連絡を待っている相手の財布、名刺入れ、机の引き出しの中にあります。そこには、もう持っていない肩書き、もういないオフィス、いまは別の人の机で鳴る直通番号が印刷されています。

回収はできません。紙にバージョン管理はありません。八か月後、まさにこちらが望んでいたタイミングで誰かが名刺を掘り出し、つながらない番号にかけます。

これは印刷費ではありません。失われた会話です。そして何件失ったかを数える方法はありません。だからこそ、誰も数えないのです。

正直な比較

1枚あたりでタップ式のほうが安い、というつもりはありません。安くないからです。そう書いてある記事は、あなたに話しかけているのではなく、売りつけています。

本当に成り立つ比較はこうです。紙の名刺は単価が低く、何かが変わるたびにコストが再発します。タップ式の名刺は単価が高く、コストは再発しません。刷り直すのではなく、プロフィールを編集するからです。

どちらが安いかは、その組織がどれだけ変化するかで決まります。十年同じ場所にいる二人の事務所なら紙が勝ちますし、そのまま刷り続けてください。四半期ごとに誰かの肩書きが変わる成長中のチームなら、計算はひっくり返ります。しかも、かなり早い段階で。

自社の数字の出し方

1枚あたりの単価は使わないでください。代わりにこうします。

この3年間の引き金になった出来事を数える。それぞれで影響を受けた人数を掛ける。それが、計画した枚数ではなく、実際に買った刷り直しの回数です。そこに、いま引き出しにある、すでに間違っている箱を足してください。あれにもお金を払っています。

たいていの人はこの答えに驚きます。そして驚きの方向が、思っていたより紙が安かった、になることはありません。

ではどうするか

必ずしも印刷をやめることではありません。多くのチームは紙を残すべきです。理由はタップしないほうがいい場面に書きました。

やる価値のある変更は、乗り換えよりもっと小さいことです。古くなる前提で、一人あたりの枚数を減らして刷る。引き出しがいっぱいであることを、預金のように考えるのをやめる。あれは静かに期限切れになっていく在庫に近いものです。そして、いちばん変わりやすい情報は、自分で編集できる場所に置く。

よくある質問

タップ式のほうが紙より安いのですか

1枚あたりでは、たいてい安くありません。組織に普通に変化がある3年で見ると、たいてい安くなります。繰り返し発生するのは刷り直しであって、カード代ではないからです。

変化のない小さなチームの場合は

それなら紙で十分で、この記事は当てはまりません。計算がひっくり返るのは、何かが変わるときだけです。

印刷を完全にやめるべきですか

いいえ。多くのチームはやめるべきではありません。刷る枚数を減らし、古くなる前提で持ち、引き出しがいっぱいであることを資産と考えるのをやめてください。

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著者について
Carlos Lastres は東京のインターナショナルデザイン合同会社で AnimaNext を設計・開発しています。プロダクトデザイン歴16年。マーケティング担当ではなく、プラットフォームを実際に運用している立場から書いています。