この判断を両方向に間違える人を見てきました。そして、二番目の方向のほうが多いです。
ひとつ目の間違いは、新しいものを一切使わないことです。これは主に利便性を失います。ふたつ目の間違いは、お金を払ったからという理由でどこでも使うことで、こちらはその場を失いかねません。
紙が勝つ場面
目上の相手との、最初の正式な面談。 名刺交換には型があります。両手で持ち、相手に向きを合わせ、軽く礼をし、受け取ったものを本当に読む一拍を置く。その流れ自体に意味があり、相手の時間を使って作り替えていいものではありません。まず紙です。少し崩していい関係になってから、タップに移ればいい。
自分がいちばん下の立場である場。 タップが失礼だからではありません。目新しいものを持ち込むと、その瞬間の主役が自分とカードになるからです。自分がその場でいちばん下なら、主役は自分であってはいけません。
複数人の場。 タップは一対一の動作です。八人の席では、七人が待つあいだに八回の小さなやり取りが発生し、効率化のはずだったものが会議でいちばん遅い工程になります。紙はテーブルを回れます。回してください。
相手が少しでも身構えている場面。 ここだけは、本当に相手を見る必要があります。ためらう、スマホをわずかに引く、「あ、自分のはちょっと」と言う。それが答えです。説得しないでください。切り替えてください。
タップが明確に勝つ場面
片手にグラスを持って立っているとき。工場の現場で。展示会の最終日、紙を切らしていて、目の前にいるのが本当に会いたかった相手だったとき。肩書きや番号がこれから変わる人との会話で。そして三十五歳より下の相手なら、こちらが言い終わる前にスマホに手が伸びていることが多いです。
そして、誰も想定していない場面。名刺入れをもう一着の上着に入れてきたとき。プロフィールはウェブアドレスなので、それでも連絡先は交換できます。
全部に効く原則
相手に技術サポートをさせないこと。
一度で読まなければ、NFCの説明をしない、設定を開いてもらわない、沈黙が伸びるなかで二度三度と試さない。アドレスを口で伝えるか、QRを見せて、さっきまでの話に戻ってください。二秒で、言い訳なしに。
カードは、こちらが用意のいい人間に見えるためのものです。ここまでの話は、全部それを守るためのものです。
答えは、両方持つこと
これを二択のように語る人がいます。そうではありません。紙の入った名刺入れと、財布に入れたタップ式のカード。これは保険ではなく、装備です。
そもそもの目的は、紙をやめることではありませんでした。紙が古くなっている、なくなっている、あるいはどこかの引き出しで見込み客として数えられている。その特定の失敗をなくすことでした。