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営業チームへのデジタル名刺導入を、情シス案件にしない進め方

技術は簡単な部分です。だからこそ、残りが軽く見積もられます。

著者 Carlos Lastres更新 2026-08-193 分で読めますEnglish

要点

  • カードを発注する前に、プロフィールの所有者を決めてください。会社所有と個人所有では、退職時の挙動がまったく違います。
  • プロフィールが空のまま配られたカードは、カードが無いより悪いです。各自にお願いするのではなく、配布前にまとめて埋めます。
  • 現場で言うセリフを渡してください。使われない理由の多くは、その瞬間にどう切り出すか分からないことです。
  • 4週間後の振り返りは、情シスではなく営業責任者と行います。つまずきは行動の問題だからです。

デジタル名刺の導入で技術は簡単な部分です。だからこそ、それ以外が軽く見積もられます。

止まる理由を4回見てきて、毎回同じ4つでした。どれも技術の話ではなく、4つとも半日で決められます。ただし、発注の後ではなく前に決めた場合に限ります。

プロフィールの所有者を決める

1年分の混乱を防ぐ決定なのに、意識して決めている会社はほとんどありません。

会社がプロフィールを所有していれば、営業担当が辞めたとき、担当を引き継ぐ人を指すように書き換えるだけで済みます。その人が2年かけて配ったカードは全部生き続け、しかも今度は対応できる人につながります。実在する資産ですが、必要になる日まで存在に気づきません。

個人が所有していれば、プロフィールは本人と一緒に出ていきます。そこに印刷されていたものも全部です。

どちらも正しい選択です。士業のパートナーなら自分で持つべきでしょうし、20人の営業チームならたぶん違います。正しくないのは、どちらを選んでいたのかを退職予告の期間中に知ることです。

決めて、1行で書いて、入社時の資料に入れてください。

配る前にプロフィールを埋める

プロフィールが空のまま配られたカードは、カードが無いより悪いです。失敗が人前で起きるからです。顧客の前でかざされ、初期表示が出ます。

カードを配ってから「各自プロフィールを入力してください」とお願いしないでください。何人かはやり、多くはやらず、1か月それを追いかけることになります。

まとめて埋めます。氏名、役職、会社名、電話番号、会社サイトのリンク、そして写真。人事がすでに持っているデータから、1人が一括で作れます。そのうえで、すでに動くカードを渡し、間違いがあれば直してくださいと伝えます。作るより直すほうが、頼みごととしてずっと軽いからです。

飛ばされがちなのは写真で、実はいちばん重要です。受け取った相手は1時間前に会った顔を思い出そうとしている、というのがそもそもの目的だからです。

言うセリフを渡す

意外に思われる点で、そして使われない最大の原因です。

商談の場で、新しい機能のあるカードを持っていて、何と言えばいいか分からない。だから普通の名刺として渡して、そこで終わります。

セリフを渡してください。飾らない言い方で構いません。「連絡先、そのままお入れしましょうか」。かざして、保存される。チームの定例で一度、声に出して、お互いの前で練習します。90秒くらい馬鹿らしく感じますが、カードが習慣に変わります。

日本では順序も明示します。まず紙の名刺を両手できちんと差し出し、かざしてもらうのは、会話の中で連絡先の話が出たあと。これも声に出して伝えてください。でないと、初対面でいきなりかざしてもらう人が必ず出て、しかもそれが失礼だったことは本人に伝わりません。

4週間後、営業責任者と振り返る

情シスとではありません。ここでのつまずきは行動の問題で、情シスからは何も見えません。

4週目に3つ聞きます。一度も使っていないのは誰で、なぜか。プロフィールがまだ間違っているのは誰か。そして現場で実際に何と言ったか。ここからは、こちらが渡したセリフより効く言い回しが1つ出てくることが多いです。

探しているのは、一度試して相手の端末でうまくいかず、静かにやめて引き出しにしまった人です。どの導入にも必ずいて、自分からは言いません。

CRM 連携を待たない

導入が永遠に始まらない一番よくある理由が、CRM にきちんとつなげるまで待つことです。

まずカードを動かしてください。1四半期使ってもらい、その連絡先が実際に案件につながっているかを確認します。つながっているなら、何を自動化すべきかとその理由が正確に分かります。つながっていないなら、誰も使わない業務フローの連携工事を1本節約できたことになります。

失敗を見た導入は、全部人の側で失敗していました。データが CRM に流れていなかったから失敗した例は、ひとつもありません。

よくある質問

導入にはどれくらいかかりますか。

発注と設定は数日です。チームが実際に使うようになるまでが約4週間で、そこは調達ではなくマネジメントの仕事です。

担当者が退職したらどうなりますか。

会社がプロフィールを所有していれば、引き継ぐ担当者を指すように書き換えるだけで、すでに配られたカードもすべて追随します。個人所有なら、本人と一緒に出ていきます。

先に CRM と連携すべきですか。

いいえ。連携を待つのが、導入が永遠に始まらない一番よくある理由です。まずカードを機能させ、必要なら後から配管を足します。

カード1枚で、連絡先はいつでも最新に。

AnimaNext は、スマートフォンにかざすだけでプロフィールが開く NFC カードです。相手側のアプリは不要、月額もありません。内容はいつでも書き換えられます。

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著者について
Carlos Lastres は東京のインターナショナルデザイン合同会社で AnimaNext を設計・開発しています。プロダクトデザイン歴16年。マーケティング担当ではなく、プラットフォームを実際に運用している立場から書いています。