注文の前に必ず出る質問です。安心させる答えではなく、正確な答えを書きます。
ここ数年に売られたスマホなら、ほぼすべてタップ式の名刺を読み取れます。Appleでは、NFCタグを読めるようになったのはiPhone 7からで、iPhone XS以降は画面が点いてロックが解除されていれば、カードを近づけるだけで通知が降りてきます。アプリも、探すべき設定もありません。仕事で会う相手のほとんどは、この条件を満たしています。
Androidはもう少し複雑です。大多数の機種はNFCを積んでいて、それは何年も前からですが、二つの点でばらつきがあります。初期状態でオフになっている機種があること、そして廉価機ではそもそも搭載されていないことがあることです。見ただけでは分かりません。
原因が端末であることは、まずない
購入前には誰も教えてくれない部分で、そして実際にいちばん効いてくる部分です。
タップが反応しないとき、原因はたいてい次の3つのどれかで、どれもカードのせいではありません。
ひとつ目は、当てた場所です。アンテナは本体の中央にはありません。iPhoneではカメラの近く、いちばん上の端にあります。それなのに人は自然と背面の真ん中に当てます。何も起きず、二人でカードを見つめることになり、その場の空気が変わります。上のほうを狙ってください。
ふたつ目は、ケースです。薄いシリコンケースはNFCにとって存在しないのと同じです。厚い耐衝撃ケース、車載ホルダー用の金属プレート、金属芯の入ったスマホリング、カードが4枚入った手帳型ケースは、いずれも読み取りを弱めるか、完全に止めます。カードとアンテナのあいだに金属があれば、確実に反応しなくなります。
みっつ目は、スマホが眠っていることです。画面が点いていて、ロックが解除されている必要があります。テーブルに伏せて置かれた端末は何も読みません。
反応しなかったときにすること
代替手段を決めておいてください。相手がスマホを差し出していて何も起きない、あの2秒のあいだにではなく、今このページを読んでいるあいだにです。
代替手段とは、NFC設定の説明ではありません。売り込んでくる相手にクイック設定パネルの操作を教わりたい人はいません。代替手段とは、QRコードか、プロフィールのアドレスを口で伝えることです。ためらわず、言い訳もせずに使えば、会話はそのまま続きます。
要点はそれだけです。タップは良いほうの体験です。代替手段は、悪いほうの体験を記憶に残さないためのものです。
日本では、この話がもう少し重い
名刺交換は小さな儀式です。そこでつまずいたときの代償は技術的なものではなく、社会的なものです。その場面に新しい道具を持ち込むなら、仕組みを確実に把握しておく必要があります。失敗したときの立て直しが、事故ではなく段取りの一部に見えなければいけないからです。
自分の端末で一度試してください。一発で読み取れる位置を見つけておく。そうすれば、どこに当てればいいか分かった状態で差し出せますし、相手の目には、ちゃんと動くものが映ります。